今日は、近くのユナイテッドシネマとしまえんで映画「マネーボール」を見てきました。幾つものスクリーンの1つのうちの1つですが、全席指定の全席が満員でした。14:00からのいい時間ですが、これだけ満員は久々です。
物語は、全米の球団で一番資金のないアスレティックスのGMが最下位の球団をお金を使わずにユニークな方法でプレーオフの常連にまで押し上げていったという実話を映画化したものです。しかし、これは昔の話で、現在のアスレティックスは低迷しているようです。
この映画を見ているとGMという職業が現場に必要な人材を見極めて集めてくるという重要な仕事であることが分かりました。どこかの球団では球団の人事権があるGMが無視されて、人事に球団会長が異論を唱えて、それを批判してクビになったということを見聞きして、その球団の大ファンとして、胸が痛くなります。また、この映画では監督がGMの人材起用を理解して人をうまく動かすことが重要であることがわかりました。今年、セパで優勝した、中日ドラゴンズ、福岡ソフトバンクホークスの落合監督、秋山監督の後ろに優秀なGMがいるのだろうと思いました。しかし、来年はどうでしょうか?ホークスは、和田が大リーグを目指すといい、杉内はFA宣言、など。ドラゴンズは、毎年、名も知れない選手をスカウトが連れてきては活躍しています。きっと、来年も名も知れない選手を連れてきては、また活躍するのでしょう。でも、落合監督の下で長年活躍してきた選手も全盛期を過ぎていることは誰の目にも明らかでしょう。立浪、森野、谷繁、等など。また、昔中日から戦力外で楽天に加入した山崎が、楽天からも戦力外になったのを、中日が代打要員としてとるなどと、そうそう西武の和田のようには活躍はできないでしょう。久しぶりにニュース23に出演した楽天ゴールデンイーグルスの星野監督も、思わず本音がでていました。中日はスカウト人が優秀だったのでしょうね、といっていました。聞いている側からすると、落合監督の采配も良かったかもしれないけど、中日は良い選手が毎年補強されているのに比べて、楽天はまだまだだな、というように聞こえました。そういう点では、セリーグの最下位の横浜ベイスターズはどうだろう。新しい球団は高田 繁氏をGMとして決めたようだ。高田氏はGMとして日本ハムを日本一に導いたが、ヤクルトでは、監督として思うような成績を出せずに、昨年のシーズン途中で解雇された。それにしても、日本ハムのスカウト陣はなにを考えているのか?相思相愛の東海大学の菅野を指名して、クジで当てれば自分のところに来るとでも思ったのか?それとも、ダルビッシュが抜けたらどうしようと切羽詰ってやったことか?いずれにしても、思い上がったスカウトだと思う。
この映画のGMは将来を嘱望されて大リーグに入団しては見たものの、活躍できなかった選手がなったものでした。優秀なアドバイザーに出会って、選手の選択に、今までのデータを活用したユニークな方法を取り入れました。色々な球団から戦力外扱いされていた選手でも、球団が勝つために必要だと思えば、自分のところの選手と交換トレードや安い金銭でトレードして集めていました。シーズン最初は10数連敗で成果が出ないまま、シーズン中もトレードを続けて、成果を出し始めるとそれまでの大リーグの連勝記録を抜く20連勝を達成。そうすると、こんな選手起用をきちがい扱いした他球団がこのGMを見直して、あの金持ち球団であるボストンレッドソックスがこのGMを自分の球団のGMとして法外なオファーを出したが、本人はアスレティックスで勝ちたいんだと断って、その後もGMを続けたようです。
一番ドキッとして、印象が残っているのは、10数連敗から立ち直って20連勝したことでもなく、レッドソックスからのオファーを断ったことでもなく、立て直す段階で、その場でクビを宣言する、本人の意思に関係なく、突然のトレードなどの場面でした。私はずっと外資系で働いるので、何度かこのような目にあいました。ある会社では、本社では出社すると上司から呼ばれて午前中に身の回りを片付けて、昼までに出てゆけと言われて何人も退職させられたという場面もありましたし、私も2月の最後の週に上司から呼ばれて、今週中までで退職するようにと言われました。次の週には会社に入るIDカードもありませんし、メールのアカウントは削除されていますし、席もありません。ただ、日本では労働基準法があるので、次の月の1か月分の給料と退職パッケージで幾らかのお金が払われましたが、会社には来てはいけないという条件でした。ただし、トレードはありません。ただの首切りです。最終的に、この会社は日本から撤退してゆきましたが。
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