電柱の先頭にあるのが携帯電話の電波の送受信のためのアンテナ。このアンテナの電波の送受信範囲を外れそうな場所に別のアンテナが立てられていて携帯電話がつながっている。しかし、このアンテナからくる電波は電信柱に設置されている3G用のRNC(Radio Network Controller)、4G用のRRU(Radio Remote Unit)と呼ばれる装置で電気の信号へ変えられて光ファイバーケーブルにより携帯基地局と呼ばれるところへつながっている。その光ファイバーケーブルは多分、この電柱の写真の左に伸びている線の下側と思われる。上側の線はこの電信柱に設置されている装置へ電気を供給する線だと思う。この光ファイバーの先にある基地局には近隣のいくつかのアンテナからの信号が集められている。3Gの信号はNodeBと呼ばれる装置へ、4GいわゆるLTEの信号はeNodeBと呼ばれる装置へ。しかし、最近のアンテナは優秀である。下のほうの写真のRRUの下を見ると多くのケーブルがアンテナへと延びている。1つのアンテナで複数の周波数の電波を送受信できるのだ。東日本大震災では、被災地では多くのこのようなアンテナを津波により流されてしまい、現地で携帯電話を持っていてもつながらないという状況に陥った。
ここに設置されている装置は、auとauグループのUQ WiMAXのための装置である。その他のキャリア(Docomo, SoftBank, EMobile)も近くの別の電信柱を借りて同じように設置している。このようにごちゃごちゃしているのは、今も使われているガラ携とよばれる3G世代の方式のための機材と、スマフォと呼ばれる4G(3Gも同時に備えているが)世代の方式が混在しているからである。キャリアとしては、早く3Gの人が全て4Gに移行してくれると、3Gの設備は廃棄できるのだが、私のように3Gを重宝している人間にとっては、3Gをなくしてほしくない。4Gも幾つかの周波数帯、例えば4チャネル(クワッド)を持てば、そのアンテナのそばに沢山の携帯ユーザがいても空いている周波数のほうにあたらに接続する携帯がつながり、パンクしないようにと工夫している。そのために、対応するRRUと呼ばれる以下の写真のような装置が、設置されこのようになってしまう。先週、この電信柱にあらたなRRUを工事業者が取り付けていた。
このような装置を提供しているベンダーはエリクソン、Huawei、ノキアシーメンス、ZTE、サムスンなど。日本のベンダーではない。日本よどうした!!。という私はこのなかの1社に勤めていた。真ん中の箱の左下にはUQの文字が見える。
RRUの下のケーブルに赤、青、黄色のテープが張られているが、このケーブルがアンテナへと延びている。
これはGPS装置。
どこのベンダーの機器は良く分からないが、年々小さくなってきている。これらに電源を供給している電線の末端に電力計がついているが、元気に回っている。消費電力が小さくなったとは言えやはりこれだけ何台もつながっていると結構な消費電力となる。